乗りたいと急いだのに バスは行ってしまった。
去るバスの後ろ姿を目で追っていても仕方がない。
連れの娘は仕切り直しが早く バス停近くにあるリサイクル本屋の
「B.O.」で有意義な待ち時間を過ごすらしい。
店の外の棚に追いやられた 陽に焼けたような 猫本を迷わずに
取り出した。10000円札が吸いつくように挟まっている。
全部で40000円。2人で小さく慌てた。
在庫期間が長く値引きされ放り出された本とはいえ
「ご自由にお持ちください。」コーナーではないし 店員に申し出た
としても「あ、どうもー」で終了となるはずだ。
第一発見者は 一発で引っ張り出した 我が娘だ。私は105円を
娘に渡した。
ガサツな店員が袋入れに失敗して それを落下させないように
祈るばかりだ。誰も不幸になる人がいないのが基本。
猫本の持ち主は ヘソクリだったのか?ご祝儀用に 札のしわを
伸ばそうとしたのか?それなら1枚は どこかに散ってしまったのか?
お金は やはり財布に収納するに限りますね。 k